認知症の対応について

昨今の医学の進歩で、認知症の発生のメカニズムがわかってきて、治療薬は将来的には開発されるようになるでしょう。しかしまだ現在のところでは、完全な治療薬といったものは存在せず、認知症の進行を遅らせることが出来るといった段階です。

認知症にも様々な段階があって徘徊する。異食(ティシュペーパーなどを食べる)する。見当識障害といわれるトイレの場所ではないのに排尿してしまう事や、服の着かたがわからなくなり、ズボンを上半身に着ようとしてみたり、下着を履かずに直接ズボンを履いてみたり、どうして今まで出来ていた事が急に出来なくなるのか。家族の思いとすれば、イライラと感情的になってしまいがちです。

高齢になると何故か、認知症の夫でとにかく妻が側にいないと、目に見えるところにいないと機嫌が悪くなる人がいます。妻も認知症で夫婦だけの世帯。テレビを見るのも一緒。ご飯も一緒。妻としては今までさんざん一緒にいたのに、監視されるように「側にいろ」的な感じでいなくなると機嫌が悪くなるので仕方なく従うしかない。夫は家を出たがらない。そうなると妻は、しんどくなって夫に対するストレスがたまるので、夫からの呼びかけにも気乗りではない。返答の言葉尻がどうしても強くなってしまいます。またそれを聞いた夫が激昂し、手は出さないまでも物を投げつけたり、声を荒げたりします。余計妻は嫌になって自宅に一緒にいたくない。夫をショートステイ先に泊らせようとしても「帰らせろ」と暴れて窓ガラスを割って逃亡しようとしたので施設から断られ、途中で打ち切られ帰ってきてしまったため、精神科の病院受診を勧めることとなった。まず夫からの圧力を取り除かないと妻も落ち着かなくなります。別のところで住んでいる息子家族の支援を受けながら上手く対応する事が出来ました。

またあるデイサービスに来ていた認知症の男性の高齢者は、デイルームで放尿されるいう利用者がおられました。トイレはデイルームの外にあるので、何度もここはトイレではないと説明しても放尿しようとするので困ったことがありました。他にも勿論デイサイビスに、女性の利用者も来ています。しっかりした利用者からは「こんなデイサービス嫌だ」と言われかねない。その男性の利用者がデイルームで放尿する理由に、不安定な姿勢で杖歩行されるのでトイレに行くのが間に合わないのかとも考えていました。そんなある日、またデイルームで放尿しようと立ったので、咄嗟に腕を掴みました。すると「危ない、危ない」と何処かに落ちそうな感じになられました。男性の足の重心の置き方がおかしいのかと見ていると、バランスを崩さないように両手で動かしていました。そしてふらつきが収まると、今度は体を曲げて手でキラキラと光る大理石のようなピータイルの床を触ったのです。その時初めて気が付いたのですが、その男性にはピータイルの表面が、水辺のように見えているので、いつも放尿する際は、川か池に放尿をしている気持ちだったのだと。また歩行が不安定に見えたのは、水辺を歩いていて何処かの深みにはまって足が取られないように注意していたのだと気付きました。気付いたはいいのですが、さすがにピータイルの張替えまでは出来ません。その男性にはここが水辺でないことと、トイレに誘導する際には手すりをしっかり握ってもらって伝い歩きしてもらうことにしました。認知症の方に有効なのは、「笑顔」です。施設に来られた入居者で、日本語の言葉をすっかり忘れてしまわれた認知症の人がおり、その人の不穏さを除くために、職員全員が何処でその人の話す言葉が終わるのかわからないのだが、話が終わったら「そうですね」と必死で笑顔を見せる対応をするということを決めたことがあった。認知症になると言葉の意味は理解できなくなっても、「笑顔」は理解出来るということだったので、笑顔を見せることで「この人は怒っていないんだ」と感じてもらい、やがてその不穏さがなくなったことがありました。笑顔を見せることで認知症の利用者を安心させることが出来るようになります。出来るだけ笑顔を作れるようにしていきたいです。

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