認知症高齢者の問題と対応事例

現在65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症を発症していると言われています。今回は私の職場でおきた認知症高齢者様の問題事例を紹介します。

事例1 Iさん(80代)
Iさんは息子と2人で生活しておられました。息子は軽度の知的障害を持っておられたのですが、Iさんの認知症の診断後、息子さんが暴力をふるわれるようになり当院へ入院されてきました。現在Iさんは当院に入院され、自宅に息子さんが1人で生活されています。Iさんの入院後は、精神的にも負担が少なくなったのか、息子さん自身も落ち着かれました。また病院がIさんの自宅から近いこともあり、ほぼ毎日息子さんも病院へ足を運んで下さっています。Iさんには、息子さんとは別に娘さんもおられたのですが、娘さんは病気により、すでに他界されています。Iさんも葬儀に行かれたのですが、数日後には娘さんが他界されたことは忘れておられました。今でも、娘さんは東京にいて、忙しくてなかなか戻ってこられないと思っておられます。実際私たちもそれ以上のことは伝えることはしていません。
Iさんには、院内で見られる問題行動もいくつかあります。認知症を発症されてはいますが、体は非常に元気で、実際に息子さんが病院から帰られる時は、走って追いかけて、窓から身を乗り出して、見送りをしようとなされます。走ったりすると、転倒のリスクもあるため、非常に危険です。実際何回か転倒もされていて、ひどい時は骨折までされたときもあります。しかし、Iさんは、転倒をしたことも覚えていないため、何度も同じことを繰り返されます。私たちが行っている対応策としては、息子さんが帰られる時は、私たちに一度声かけしてもらい、Iさんに付き添って一緒に見送りをするようにしています。息子さんにも協力をしてもらって、窓から身を乗り出して見送りすることがないように、病院から出られたあとはできるだけ窓から確認できない場所を通って貰うようにしています。このような対応をするようになってからは、今の所転倒といった大きな事故にはつながっていません。

事例2 Hさん(90代)
Hさんには親族はたくさんおられるのですが、皆遠方に住んでおられます。そのため、Hさん自身は旦那さんにさきをこされた後1人で生活をされていました。その後、足の筋力の低下が著しく、認知症も発症されていたため、自宅で1人での生活は困難と判断されて当院へ入院してこられました。性格も穏やかで、周りの患者様ともトラブルになるということはほとんどないのですが、1人で動こうとされることが多く、下肢の筋力も低下されているため、思うように動くことができずその都度転倒をされています。対応方法として、当初は家族さんから了解を経て、ベッド柵を4本とりつけて普段はベッド上で過ごしてもらうようにしていましたが、拘束によるストレスもあったらしく、たびたびベッド柵をはずして降りられようとされていました。そのため、もう一度家族様から了承をもらって、現在はセンサーマットを敷いて対応を行っています。ポータブトイレを使用されているため、トイレ時の対応がほとんどなのですが、時折降りようとされる時があるので、その時は車いすで近くを散歩したり、談話室へつれって言って、他の患者様とお話をしてもらったりしています。ベッド柵で拘束していた頃にくらべ、表情もやわらかくなられ、最近では常に笑顔でスタッフや他の患者様とも接しておられます。

今夏は2人の事例をお話ししましたが、その他にも認知症の患者様でよくある問題が、徘徊だったり、食事問題(食べてはいけない者を口に入れる)、暴言や患者様同士のトラブルなどがよくあって、そのたびにカンファレンスを開いて個別の対応を行う必要があります。

スポンサーリンク
スポンサーリンク



スポンサーリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする